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壮大なユーラシア大陸の中央に位置するモンゴル高原。 十二世紀、ここに世界を震撼させる蒼き狼が生まれた。 アジアの東から、ヨーロッパの西へ、遙か数万`を駆け抜け、 史上に類例のない、巨大帝国を押し広げた遊牧民の男。 その名は、テムジン。 ◇ ◇ |
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| 現代の私たちもまた彼らの健康的な強さと肌の美しさを知る。 なぜ、美しいのか。伝統食と医の密接なつながり。その秘密に迫る。 |
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| 内蒙古産 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
強靱な蒙古族の不思議:Mongolian Paradox |
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食材の種類は日本人の1割未満?少ない栄養源で強靱な体力と健康を維持 冬の平均気温がマイナス20℃を下回る一方、夏は30℃をゆうに超え、極度に乾燥した空気、そして強い紫外線は植物の生育に適さない。よって3000年とも4000年ともいわれる馬に乗り家畜と暮らす長い遊牧の歴史が始まりました。 遊牧は牛、馬、羊、山羊、らくだ、この5つの家畜が主。食材は、その肉と乳製品。麦や雑穀、そして、乾燥した土地でわずかに育つ野菜と香辛料にすぎず、その種類は飽食日本の1割に満たないといいます。 蒙古族の不思議 Mongolian Paradox 極端な肉食に偏った彼らモンゴル族。その食生活に比するのは北極圏のイヌイット族(エスキモー)だが、イヌイット族は、肉を新鮮な生の状態で食べることにより、ビタミンなどの抗酸化物質を体に取り入れ、免疫力を高めています。 イヌイット族に生肉を食べる習慣があるように、蒙古族にも抗酸化、免疫力を高める、独特の食習慣がありました。それが乾燥した高地に自生する 抗酸化物質が極端に少ない食事で、蒙古族がどのように免疫力を保っているのかは生理学の謎とされてきました。 ”蒙古族の不思議 Mongolian Paradox”と呼ばれた、その謎が今、明らかに。 |
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| チンギス・ハーン像 (生年1162?〜没年1227) 一代で世界帝国を築いた遊牧民の王 故宮博物館所蔵 |
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| 免疫賦活 滋養強壮 βグルカンの歴史 |
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食べ物で、時の流れを遅らせる 栄養の偏りが「老い」を早めることは昔から知られ、その一方で、それぞれの国や地域で自然の中から病気や老いを身から遠ざける食材が尊ばれてきました。その中でも世界のいくつかには健康面で特異な国や地域があります。 ブルガリアのヨーグルト、カスピ海のカスピ海ヨーグルト、タヒチのノニ、ブラジル奥地アマゾンのアガリクス、フランス赤ワインのポリフェノール・・・。住民が長寿であったり、肉食に偏った食生活なのに生活習慣病が少なかったり、研究者らはその原因を探り、医療や栄養学に役立ててきました。 その最も優れた、かつ歴史ある研究国は中国。「東洋人は若く見られる」と言うのは元々、中国女性の肌の美しさを指したものといわれ、医食同源の国ならではの健康的美しさは昔から世界で際立っていました。 その医食同源の元祖、中国が今、大きな悩みを抱えています。 恐ろしい危機に瀕した医食同源の国 中国が抱える悩みとは食生活の急速な欧米化。脂質や動物性タンパク質の摂取量が猛烈に増え、野菜をあまり食べなくなりました。特に上海や北京などの大都市部は深刻で、80年代の改革開放の後に成人した世代は私たち日本人よりファーストフードに親しみ、また加速する競争社会の熾烈なストレスに曝されています。 日本の厚生労働省にあたる中国衛生部は、「10年以内に8000万人が生活習慣病で死亡する」と発表。中国は衛生部主導で予防医学に巨費を投入し、伝統的な中医(日本で言う漢方)の再考察と研究はもちろん、かつて漢民族が辺境と呼んだモンゴル医学(蒙医)、チベット医学(藏医)、ウイグル医学(維医)をはじめ伝統的な民間医学にも脚光を当てています。 なかでも注目を集めているのがモンゴル。日本でも最近、モンゴル岩塩が急激に売上げを伸ばしています。現地でジャムツダウスと呼ばれる赤い塩は、ミネラルが豊富。それには理由があります。 |
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| 免疫賦活 滋養強壮 アガリクスの発見とβグルカン研究 |
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モンゴル騎馬があまりにも強かったため、ヨーロッパで「黄禍」という思想が生まれた。写真は蒙古族の末裔が作ったと言われるハンガリー |
大陸の高地から海の化石が モンゴルは大陸中央の高地ですが、世界的な恐竜化石の産地として有名です。化石採掘の現場からは太古の貝や魚の化石が発掘されます。モンゴルは3億年前まで海。その太古の自然な海洋性ミネラルがモンゴルの大地には凝縮されているのです。 中国の研究者はモンゴル人の特異性に注目しています。漢民族にとってかつてモンゴルは最も恐ろしい敵でした。10分の1にも満たないモンゴルの少数民族に何度も敗北し、歴代皇帝は万里の長城を築きました。ちなみにモンゴルとは「強い民」という意味。 そして十三世紀には、ついに征服を受け、モンゴル族が統治した国々はヨーロッパにまで広がり、欧米人に今も根付く東洋人への恐怖「黄禍」という概念さえ生み出しました。それほど彼らモンゴル人は圧倒的だったのです。800年後の私たち日本人もまた、日本の国技の中で、彼らの子孫の圧倒的な強さに魅了されています。 東洋人を学術的にモンゴロイドと呼ぶように、同じ東洋人の遺伝子を持つ彼らの圧倒的な強さ、美しさ、健康の秘密は、一体何なのか。 |
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| 強靱な蒙古族を生んだ医食の謎 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 蒙古襲来絵詞 文永の役(1274年) 弘安の役(1281年) |
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| 不健康な肉食中心でも健康な理由 中国の研究者らは現代医学・栄養学の定石通り、モンゴルで菌を探しました。カスピ海ヨーグルトのクレモリス菌、納豆のナットウキナーゼを作る納豆菌、漬物のラブレ菌、ぶどう果実皮を吸収しやすいポリフェノールに変えるワイン発酵菌…。昨今の発見の多くは菌類から 彼らが内蒙古自治区で見つけたのはモンゴルの食生活の伝統でした。それは、移動住居ゲルの屋根に見られる乾燥した珍しい茸。 |
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| 学名 |
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豊富なβグルカン、バランス良いミネラルを含んだこの茸は、特にセレンという物質を多く含むモンゴル独特の美と健康を保つ医食同源食材だったのです。肉食なのになぜ彼らの肌は艶やかで美しいのか。野菜が少ないのになぜ健康なのか。その理由が明らかになったことは、ブラジル奥地におけるアガリクス発見と並ぶ朗報と言われています。 |
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蒙古族はなぜかくも強靱か |
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